概要
西宮市内から甲山へ向かう途中にある小さな社。古代信仰の磐座、高さ10m、周囲40mの「霊岩」とも呼ばれる、花崗岩の転石のような大塊がご神体である。
岩の形が酒を造る時の甑ににていることから、「甑岩」と呼ばれたという。祭神が「蛭子大神」ということで、ひょとすると西宮神社の奥宮的な存在だったのか?または、後から、くっ付けたのか?
西宮市内を一望できるポイントもあり、今では、パワースポットとして有名らしい。私が参拝した平成10年頃は、マイナーな場所で、古い雰囲気が漂い、全体的に、どっちかというと陰気な感じがあった。
ハイソな雰囲気の夙川の上手に位置しており、甑岩の当たりが夙川の源流だったとも言われている。
大阪城築城
豊臣秀吉の命により、大阪城の石垣造営のため、各地から石が切り出された頃、ここでは、池田備中守長幸が石垣として切り出そうとした。石に刻んだ家紋が今でも残っている。
岩にクサビを入れると、その割れ目から白い煙が吹き上がると同時に鶏鳴があたりに響き、煙に巻かれた石職人はそのまま亡くなったという。クサビを等間隔で打ち込んだ跡が今でも確認できる。
ご神体に楔を打つとは、大胆なことをしたものだが、時の人である秀吉の命であれば、逆らえるはずもない。各地に、似たような石(各地に天の岩戸など)があるが、石垣のために切出そうとされた話は、さすがに聞かない。
名 称 | 越木岩神社(甑岩神社) |
住 所 | 兵庫県西宮市甑岩町5-4 |
祭 神 | 恵比寿大神 |
創 建 | 不詳 |