【 もくじ 】
神社概要
- 神社名称 : 丹内山神社
- 住 所 : 岩手県花巻市東和町谷内2-303
- 御 祭 神: 多邇知比古神(たにちひこのかみ)
- 創 建 : 不詳
- アラハバキ神をお祭りする数少ない神社。他の例では「アラハバキ」は履物の神とされて、祠に履物がたくさんつるされているのを、多賀城で見た。それもありだが、しかしあんまりだ。


アラハバキ神
- アラハバキ神は、渡来系の神(天津神・国つ神)の以前から、この列島に住む人々に信仰されていた。一説には、「遮光器土偶」と同一視される。
- とすると、東日本を中心にかなり広範囲に信仰されていることになるが、他に見ないのはなぜか。
- 大化の改新により、百済との関係を断ち、独自路線をすすめた大和朝廷は中央集権国家を目指し、「日本」と改名した。納税を拒否する者達を平定し従えた後は、そこに大きな仏像を建てるなどして、威厳を示した。
- また、朝廷が信奉する神を拝ませて、古くからの土着の神は名前を消したり、主祭神から追いやられた。「アラハバキ神」の名前が消えたのは、そういうことからなのかもしれない。

- こちらでは古くからの言い伝えなどを、「不思議」として紹介され、参拝者の興味をうまく引き付ける工夫がいくつもなされている。
不思議その一
- 本殿脇の障子の唐獅子をなめると、居眠りしない。(実施になめる人はいますか?)
不思議その二
- 境内の建物には、ツララができない

不思議その三
- 「肌石」この肌石には、雪が積もらない。

不思議その四
- 手水の鉢の水が枯れることがない。
不思議その五
- 境内には竹が生えない。
不思議その六
- どんな強風でも、銀杏の葉が、境内から外へ散ることがない。
不思議その七
- ご神木の爺杉の木の幹に桐が生えていた。

本堂
- 1810年に再建された。中国の故事や古事記、万葉集に因んだ格式の高い彫刻が施されている。
- 岩石左下の割れ目を、壁面に触れずに通り抜けることができると、大願成就すると言う。中に入ると、真ん中に岩があるが、それには触れていいのかなぁ?
- そもそもは、この石がご神体だったのだろうか。
坂上田村麻呂が参拝した
- 東夷征伐(782~805年)の際に、磐座を参拝している。
- 後に、坂上田村麻呂は、この神を恐れて、同じ東和の地に、毘沙門天像を建立している。高さ約5mから見下ろすように睨みつけるその眼光は、大和朝廷の威厳を存分に表していると感じた。それほど、このアラハバキ神が絶大な信仰を集めていたということの表れである。
- 神社から離れた場所に、鳥居が建てられている。ここからが参道だったのか。
東日流外三郡誌(そとつがるさんぐんし)
- 青森県の和田家に伝わる古文書。学界では偽書説が確実視されているが、その中「アラハバキ」が遮光器土偶とともに説明され、「荒羽吐」としている。